歯周病治療は自覚症状が出る前に始めましょう

とがし歯科医院の歯周病治療について

歯周病とは、どのような病気で、どうして起こるのでしょうか。歯周病とは、歯を支える骨が、口腔内の細菌と体の免疫による炎症によって減ってしまう病気です。
歯と歯茎の境目の歯磨きが十分でないと、そこに多くの細菌が停滞し、歯茎の境目が炎症を起こし、赤くなったり、腫れたりします。ただし、痛みが出ないことが多く、ご自身で歯周病の進行に気づくことは困難です。
そして歯周病が進行すると、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯ぐきの境目にある溝が深くなります。その後、ささえる骨が溶けて歯が動くようになり、最後は歯を残すことがとても困難になってしまいます。

歯周病セルフチェック

下記の項目で思い当たる物にチェックしましょう

  • 3つあてはまる

    油断は禁物です。
    ご自分および歯医者さんで予防するように努めましょう。

  • 6つあてはまる

    歯周病が進行している可能性があります。

  • 全てあてはまる

    歯周病の症状がかなり進んでいます。

引用元 日本臨床歯周病学会

歯周病の治療にはまず診断が大事です。
診査診断、治療計画をたて、それぞれの患者様にあった治療を行うことが大事であると考えています。

歯周病と全身疾患について

下記の病気と歯周病の関連性があることが分かっております。

  • 糖尿病
  • 心疾患
  • 脳梗塞
  • 関節リウマチ
  • 誤嚥性肺炎
  • 低体重児出産

歯周病の分類

軽度歯周炎について

自覚症状はほとんどなく、歯磨きをしたときに血が出ることや、朝起きた時に口の中がネバネバするといったことが挙げられます。
軽度歯周炎に対する治療法はご家庭でのブラッシングと専門家による掃除で対応します。歯科衛生士によるスケーリングやルートプレーニングで済む場合も多く、歯のクリーニングをするだけで歯茎の改善がみられてきます。ただし、歯周病になってしまう原因として、歯磨きが苦手な場合もありますので、歯科衛生士による歯ブラシ指導もおこなわせていただき、定期検診に通っていただくことをお勧めいたします。

  • 歯磨き指導

    とがし歯科医院では、歯科衛生士による歯磨き指導をおこなっております。 歯周病を治療する際、日々の歯磨きは歯周病に対する治療となり、そのやり方も注意しておこなう必要があります。

  • スケーリング

    手用スケーラ-や超音波スケーラ-を使って、歯垢(プラーク)や歯石を取り除いていきます。

  • ルートプレーニング(根の滑沢化)

    歯と歯茎の間(歯周ポケット)にある歯石の除去や、細菌より汚染された病的組織の除去を行い、最後には根面をツルツル、ピカピカにし汚れがつきにくくします。

中等度歯周炎の治療について

歯茎が下がった、体調の悪いときに歯茎が腫れる、噛むと心配な歯がある、口臭が気になる、などが挙げられます。多くの場合、歯科衛生士が中心となり歯周基本治療を行います。歯周基本治療とは、歯磨き指導(プラークコントロール)、スケーリング・ルートプレーニング、咬合調整を主とした治療で、生活習慣の改善も必要となります。
中等度歯周炎の場合は歯周基本治療とセルフケア(ご家庭での歯磨き)指導をおこない、改善がみられることがほとんどです。症状が安定した場合には3~6ヵ月毎の定期検診へと移ります。

重度歯周炎の治療について

歯茎がぶよぶよし、全体的に血やうみが出て噛める歯がなくなり、ご自身でもこれではまずいと自覚するようになります。治療法は、中等度歯周炎と同じように歯周基本治療をおこない、その後に再評価をおこないます。再評価の結果、良化している場合、再度の歯周基本治療をおこないますが、基本治療のみでは歯の保存(歯を抜かずに残すこと)が危ぶまれる場合、歯周外科療法をおこないます。歯周外科療法には、歯肉を切開し奥深くの汚れ、病原を郭清する方法(Flap手術)や再生療法を併用する方法などがあります。炎症の除去の後には多くの歯を被せる必要もでてきます。治療が複雑になり、期間も長期になります(年単位)。

歯周組織再生治療(エムドゲイン)

エムドゲインは、歯周病によって歯茎が低下している箇所を、フラップ手術にて切開し、ゲル状のエムドゲインを塗布し、縫合を行い歯周組織の再生を促す治療です。またエムドゲイン以外にも、リグロスという保険診療が適用されている治療もあります。
どちらの治療で進めていくのか、診査・診断の結果を元にご提案させて頂き、患者様と決めて進めて行きます。

歯周病の症例紹介

症状 患者さんは70歳男性、「歯がぐらぐらして出血する、起きると枕が地で真っ赤になってしまう」とのことを主訴に来院されました。
治療法 歯周基本治療、部分矯正(MTM)、歯周外科治療、歯周補綴(歯周治療を考慮した被せ物)
通院回数 週1回~2週1回 2年間